天文・科学に関する話

2013年10月14日 (月)

ダークマター

 存在が確実視されていて、まだ発見されていないのがダークマターです。見える質量の5~6倍のダークマターが存在するとされています。存在を初めて指摘したのは、1933年フリッツ・ツヴィッキー(スイス)です。かみの毛座銀河団周辺部の銀河の速度が、見える質量だけで説明できないほど大きかったからです。1970年代、渦巻銀河の速度分布の観測より存在が確実なものとなってきました。

 さて、これほど大量の質量があると惑星の運動にも影響があるのでは(ケプラーの法則が実は成り立たない!?)と思ってみたくもなります(ならないかも)。それで太陽系近傍でのダークマターの量を求めてみました。一様に分布するとしたある球内の質量を単純計算で求めます。球の体積は4/3×π×半径の3乗ですから、これに密度をかけて間違わずに計算すれば得られます。

 銀河を取り巻くダークマターの密度は 3cm3 あたり陽子1個分の質量とされています。水の密度の2兆分の1のさらに1兆分の1です。ものすごく小さいです。しかし、ちりも積もれば山となるということもあるので、地球と同じ体積のダークマターの質量を求めてみると0.6kg、りんご2個分です。地球全体に沁み込んでいても重力にはまったく影響しません。

 半径を思い切って大きくとり、地球の公転半径1億5000万kmの球内のダークマターの質量を見積もってみます。 約8×10E12 kg (80億トン)です。結構な量です。しかし、太陽の質量が2×10E30 kg ですから、太陽質量の2.5×10E17分の1です。海王星の公転半径をとっても太陽質量の10E13分の1(10兆分の1)です。

 ということで、ケプラーの法則にはとても影響を与えるほどの量ではないことが分かりました。自明のことかも知れませんが・・・

 今度は逆に、ダークマターの質量が太陽の質量と同じになる球の半径を見積もってみます。9.5×10E13km(約10光年)です。銀河ハロー全体に分布していると考えられていますから、大体このような値になるのでしょう。元々ダークマターの質量は銀河の恒星の速度分布から見積もったわけですから、当然と言えば当然です。ただ、地球近傍では「あるとしても」桁違いに少ないということです。それでもいくつかの検出実験が精力的に進められています。候補が発見されたとのニュースもありましたが、まだ確定には至っていません。数年のうちには確実に発見というニュースが飛び込んでくるかもしれません。